複合化、組織制御および結晶方位制御による高機能構造材料の研究開発

異なる性質の材料を組み合わせることにより、既存の材料を凌駕する高機能な材料を作り出す接合・複合化技術は、マルチマテリアル化のための重要な技術です。また、加工熱処理による結晶方位制御および単結晶化技術は、機能性材料である形状記憶合金において性能向上の重要な役割を担っています。

我々の研究グループでは、鋳造、接合および熱処理等の素形材加工技術を駆使して、金属とセラミックスを組み合わせた金属基複合材料や鋳造用アルミニウム合金の高強度化に関する研究を行っています。また、チタンをベースとした新規形状記憶合金の開発や、結晶方位制御プロセスの検討、および、デバイス応用に向けた変形挙動や劣化機構の解明なども行っています。

主な研究テーマ

• 固相法および液相法を用いた金属とセラミックス強化材の複合化による高機能複合材料の創成とその加工技術の開発
• 複合化技術を応用したAl合金の高強度化のための新しい組織制御技術の開発
• 合金本来の特性を100％引き出すことができる鋳造技術の探求
• 固相法と液相法を併用したアルミニウム合金製造技術の検討
• 新規チタン合金の相変態および形状記憶特性評価
• 加工熱処理による多結晶形状記憶合金の結晶方位制御および単結晶化プロセスの検討
• 形状記憶合金の変形挙動の理解とデバイス応用

アルミニウム合金と炭化ケイ素粒子の複合化実験

電子顕微鏡によるチタン合金の結晶方位解析